一筆入魂

フリーライター/編集者 山下久猛のブログ

2010
06/20
日記

「アウトレイジ」と「告白」を観た

今日は空いてるだろうということで、「アウトレイジ」と「告白」を観て来ました。

もうね、ほんとに週末なのにこんながらがらでいいのかと心配しちゃうほどのガラ空き。「アウトレイジ」なんて10人未満だったと言っても過言ではない。

まずは「アウトレイジ」。ひとことでいうならば、登場人物がバカヤローコノヤローと言ってるだけの映画。北野監督のバイオレンス作品としては「この男、凶暴につき」の方が100倍おもしろいと感じました。

なんかね、わかったよーなことを言うと、暴力に情緒がないんですよ。でも決してつまらなくない。ただ、私にとってはなーんにも残らない映画でした。


「アウトレイジ」終了直後に観た「告白」。これははっきりいってアタリでした。(こっちはお客もけっこう入ってた)

ネタバレになるといけないので詳しくは言いませんが、とにかく映画としてすごくよくできてる。
邦画でこれほど感動したのはほんと久々かも。というほど数は観てませんが。

そもそも「告白」をすげー観てー!と思ったのは、先日「ザ・コーブ」を観にいったときに買った月刊『創』7月号で「告白」のプロデューサー・東宝の川村元気氏のインタビュー記事を読んだからなんです。

このインタビュー全編おもしろいのですが、冒頭のこの川村氏の言葉にしびれました。ちょい長いけど引用します。

----------引用ここから-------------
このテーマを映画化するときに、テレビの放送コードに合わせて脚本を作るということはしたくなかった。そして、そこにこそ映画「告白」の企画の面白さがあると思っています。テレビでは見られないものを映画館で観る。それが映画の数少ない武器でもあると思います。そうした映画のアイデンティティに「告白」で挑戦したいと思っていました。
----------引用ここまで-------------

どーですか? この魂が込もりまくった言葉。「映画のアイデンティティに「告白」で挑戦したい」ですよ。俺はここを読んだとき、絶対この映画は観に行かねばと心に決めました。

そしてもうひとつ、原作者がこの映画を観た後に号泣したということもかなりの引きになりました(このあたりもかなりジーンと来た話)。

で、観に行ったわけですが、ほんとうに観てよかった。もうね、最初から最後まですごくよかった。中だるみ一切なし。脚本も演出も映像も役者も中学生も音楽も全部いい。全部計算されつくしてる。まさにプロの仕事。邦画でここまで感動したのは皮肉にも北野監督の「HANABI」以来かも。(そんなに数は観てないが)

個人的には音楽と空の映像がすごくいいと思った。
音楽好きとはいえない俺でもそう思ったんだから、選曲、タイミングともに相当いいんだと思う。

子供たちの演技もすごくよかった(『創』インタビューによればこの部分は監督の演出のこだわりの賜物らしい。こういう点もすごいと感じた)

しかし役者といえば、松たかこ、恐るべしである。彼女の演技には鳥肌が立ったほどだった。


「告白」の後に「アウトレイジ」じゃなくてほんとによかった。映画としてみれば「告白」がプロの作品だとすると、「アウトレイジ」は自主映画。そのくらいの差はあった。「アウトレイジ」も決してつまらない映画ではないし、出てる役者もいいんだけど、「告白」と比べるとどうしても...。

そもそもは「ザ・コーブ」観たさに行ったイベントで買った『創』がきっかけで観ることができた「告白」。「ザ・コーブ」自体も観てよかったと心底言える映画だったし、「告白」もしかり。ひょっとして、あのイベントに行かなかったら「告白」を観ることもなかったかも。いい連鎖だ。やっぱ好奇心の赴くまま、本能が指し示すままに出かけていくといい方向に行くということを改めて実感した次第であります。

「告白」は原作も読みたい。こうなるのが創り手にとっても良い連鎖なのだろう。その前に積読をちょっとは片付けねば。


※追記
そして『創』7月号を読んで激しく観たい! と思ったのが、「キャタピラー」と「ハーツ・アンド・マインド」と「ビルマVJ」。

スケジュールをなんとかやりくりして詰め込みたい。
その前に積読をちょっとは片付けねば。

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