一筆入魂

フリーライター/編集者 山下久猛のブログ

2016
08/20
日記

シン・ゴジラを2週間で4回観ました(※ネタバレ注意)

シン・ゴジラを2週間で4回観ました。滅多に映画館に足を運ばない私を2週間で4回も運ばせるという事実からもお分かりのように、本当にスゴイ映画ですシン・ゴジラ。FBに書きなぐった感想をここにも転載します。(※ネタバレ100%なので、まだ観てないという奇特な方はここから先は読まないでください)

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■1回目感想(8/3)
シン・ゴジラ観た@品川IMAXベスポジ。
久々に観てよかったと思った映画だった。あと10回は観たい。Blu-ray購入決定。まさに庵野ゴジラ。つかエヴァゴジラ、つかエヴァそのものだった。いろんな意味で。あと庵野さんにとってはこの映画を撮ることが精神的なリハビリになったんだと思った。

技術的にもすごかった。CGとミニチュアの融合。あのシーン圧巻。まじ圧巻。圧巻というほかない。あのシーンね。樋口さん神。マジ神。これ以上はネタバレになるから言わん。とにかく全人類はこれ観るべき。とにかく観ろ。あ、特に鉄ヲタは絶対に観た方がいい。つか観るべき。鉄ヲタは観ないとダメ。

ただ、石原さとみはいらんかった。あそこだけ大人の事情が垣間見えた。あと竹野内豊がなあ豊がなあ...

■2回目感想(8/9)
シン・ゴジラ2回目鑑賞@T・ジョイPRINCE品川IMAX
やっぱ2回観てもスゴさしか感じない。
2回目なんだけどオープニングからエンディングまで一気に引っ張られる。
ものすごい情報量なんだけどわかりにくさは微塵もなく、一瞬たりとも無駄なカットがない。
まさに練りに練られた脚本。
巨大不明生物が突然首都を襲来したら国はどう対処するか。そのために首相官邸周り、各省庁、政治家、官僚、自衛隊などありとあらゆる関係部署にものすごい量の取材をし、緻密に組み立てている。
普通、会議のシーンは退屈以外の何物でもないので映画であんなに長い時間やらないと思うけど、その会議のシーンがめっちゃおもろい。
もし巨大生物が来たら確実に官僚や政治家はこういうふうに対処するんだと思わせる。
徹底的なリアリティの追求。
それもこの映画の大きな魅力の1つだろう。
映画の中で津波とか原発とか放射能汚染とか冷却作業とか、3.11を彷彿とさせるシーンがいくつも出てくる。庵野はシン・ゴジラで3.11を描いたとかあの時の国の対応を批判したいとかいう人が少なからずいるけど全然違うと思う。
繰り返しになるが、テーマは「もし巨大不明生物が突然首都を襲来したら国はどう対処するか」の1点であり、それを徹底的な取材を元にリアルに表現した超上質なエンターテインメント映画だと思う。
ストーリーも激アツ。国難に対して国を支え、守る人々が一致団結して立ち向かい、それぞれができることを精一杯やり、克服する。
矢口の「この国はスクラップ&ビルドで立ち上がってきた」
「この国はまだまだやれる」
的なセリフ(うろおぼえ)が胸アツ。
希望がちゃんとあるのがまたよかった。
そして何度観てもアツい無人在来線爆弾。アツすぎる!
今年の流行語大賞は「無人在来線爆弾」これに決まりや!
音楽もいい。泣きそうになる。鷺巣詩郎やっぱ天才。
脚本、ストーリー、映像、役者、音楽、すべてが最高の映画だ。
あと、あのゴジラが最初に出現した時、放射能を吐くとき、これゴジラちゃうやん、使徒やん、使徒襲来やんと思った。
だからシン・ゴジラという映画はゴジラ映画なんだけど、ゴジラの名を借りた、エヴァンゲリオンが出てこない実写版エヴァなんだとも感じた。汎用人型決戦兵器はいつ出てくるんだとw
フォーマットは同じというねw
エヴァ好きな人はみんな思ったと思うけど。
そういう巨大ロボットとか超絶必殺技とかじゃなくて、通常ならやられキャラの戦車やヘリ=通常の人間が大活躍するのが胸アツなのよまた。F2が出てきたときは思わずおお!と声に出してもうた。
あの最後もあんな地味な倒し方ないんだけど、それがまたリアルでいいんだよな。むしろかっこいいとすら。どうしても原発のあの冷却作業を思い出して胸アツ。
映像的には容赦のないあの破壊シーンはさすがの一言。庵野秀明の真骨頂。「ゴジラさん、もうやめてええ!!!」と心の中で何度叫んだことか。
あとあの衝撃のラストね。
ラストの謎はまだわからないのでこれからいろいろ情報を漁ろうと思います。
品川はパンフレットがいまだ売り切れ状態なのが残念。早く重版してくれないものか。
あ、そうだ。石原さとみ、やっぱいる。全然いる。2回目でも笑っちゃうけど、いてくれてありがとうって感じすらしたw
明日3回目行ってきます。

■3回目感想(8/10)
シン・ゴジラ3回目@TOHOシネマズ新宿IMAX
3回目なのに飽きない。まったく飽きない。
・筋も何もわかってるはずなのに興奮とおもしろさしかない。
・2時間が一瞬にして過ぎ去る。
・この世界観に浸れる幸せ。
・3回目だから今まで聞き取れなかったセリフや役者の細かい演技がさらにわかってよかった
・ストーリーがより深く理解できたような気がする。細かいところは円盤を購入してから一時停止やコマ送りを駆使して確認する
・改めて映像の繋ぎ、編集が秀逸。会議シーンからの現象シーンの繋ぎ(例えば、「生き物のわけないだろ!」の次のコマが巨大な尻尾出現のシーン とか、「上陸はありえません!」→蒲田に上陸とか)
「この国はまだまだやれる」
「この国はスクラップ&ビルドでのし上がってきた。今回も立ち直れる」
に改めて胸熱
・これは1回目からなんだけど、最後のゴジラの口の中に血液凝固剤を注入するシーンはそのままだと入れるそばから口からドボドボ凝固剤が滴り落ちるのではという疑念が湧き上がってきたが、いやいやそうならないためのクソ長い高圧ポンプ車でゴジラの喉奥に差し込んでものすごい圧力で注入してるんだからちゃんと体の奥に届いてるんだ、中学生程度の知能で浅はかなツッコミを入れるんじゃない! と自分にツッコミを入れていたので今回は安心して観れましたw
・ただあの最後の尻尾のシーンだけはいまだ謎。尻尾から人が出てる? 尻尾から人を喰ってる? これから第五形態への変態もありえる?
・シアターは同じIMAXでも品川の方が全然良かった。画面の大きさ、音ともにダンチ。
・そして3回目にして念願のパンフレットもゲッツ! じっくり読みたいと思います。

■4回目感想(8/17)
シン・ゴジラ1回観に行く→わからんすぎるのでレビュー読みまくる→一部の謎が解けるが新たな仮説&ネタが→それらを確かめたくなる。同時にサントラヘビロテ→いろんなシーンが脳内再生→シン・ゴジラのことで頭がいっぱいになる→気がついた予約ボタンぽち
の無限ループ。庵野やっぱ天才か
ってことで行ってきましたシン・ゴジラ4回目。
今回は立川の極上爆音上演です!
極爆はガルパンでその噂は聞いていた&立川といえばゴジラがド都心で大暴れしたために移転された巨災対の臨時本部が設置された地ということで、わくわくしつついよいよ今日という日を迎えたのですが、ちょうど家を出る40分前くらいになんと人身事故でまさかの中央線ストップ!!!
東なんとかつー駅で快特に乗り換えることができて次の駅が立川だったのでこれでひと安心と思いきやそこからのスピードが遅い遅い。これじゃあ無人在来線爆弾には絶対なれない!
それでも上映開始7分前に立川駅到着。急いで立川シネマシティに向かう。ふう。上映開始3分前。ギリで間に合った。と胸をなでおろすもしかし、ここでまさかのアクシデント。受け付けで「シン・ゴジラはここじゃありません」攻撃を喰らう。極爆上映が行われるシネマ2は別の建物だったという立川トラップ!
ダッシュでシネマ2に向かう。もう汗だく。昼間けっこう走ったというのに。
かくして本編上映ギリギリで間に合ったのでした。
感想はというと......極爆パネェ! 肚にビリビリクる。特に自衛隊大活躍シーンとゴジラが大暴れシーンが最高。確かに「ただヴォリュームを上げるだけでなく、それでいてやかましくない、クリアな台詞と音楽を両立させ、ゴジラを目の前にしたときの体感。音のリアリティに引き込まれる没入感。【極爆】によって『震・ゴジラ』」になってた!
映画自体はもちろんやっぱり4回目でもおもしろすぎる! なんだろうこれ。映像も話の筋も全部知ってるはずなのに。知っててもなおおもしろいという不思議。
そして今回は字幕付きだったのがよかった。今まで聞き取れなかった、あるいは聞き取れたけど意味がわからなかったセリフが完璧に理解できてよかった。
泉ちゃん、あれ「キンキカライ」って言ってたのか?「金帰火帰」ってそういう意味だったのか?だから「矢口も地元を大事にしろよ」って言ってたのか?。(この事実自体はレビュー読んでて知っていたので確認という意味で)
などなど、4回目にしても新しい発見多数。
特に自衛隊のやりとりがよくわかってよかった。専門用語など。
早く円盤出してくれい!
やっぱり改めて思うのが脚本と編集のすばらしさ。圧縮美というか、何回観てもこれだけ2時間あっという間でダレるのが一瞬もないってちょっと他の映画とかドラマとかでは考えられないんじゃないか。
あと自衛隊、やっぱかっこいい。最後の最後に日本を守ってくれるのは自衛隊しかいない、と改めて思う。
役者も全員よかったなあ自衛隊。
自衛隊志願者増えるんじゃないか。
そしてやっぱり熱い「無人在来線爆弾!」もう本当に矢口と一緒に叫びたい?無人在来線爆弾!/
この映画のコピーは「現実対虚構」だけど、これについてもいろいろ考えた。いろんな意味があると思う。
物語の中に3.11の津波被害と原発事故、放射能汚染が入っているのは間違いないが、「現実」はあのとき政府はどう対応してどういう結果になって今に至っているか、「虚構」はもしゴジラという生ける大災害が襲ってきたら映画の中の政府はどう対処するか。その対処方法として「現実」vs「虚構」という視点で観れば、(だからルビが日本vsゴジラとなっているわけだが)、最後の竹野内豊のセリフがまた違った意味に感じてきた。
つまり老害がいなくなって、本当に国を憂う若手で優秀な政治家と官僚が政治の実権を握れば、カヨコに「あなたの国は誰が決めるの?」とか言われなくて済むような国になる。的な。
しかし、ゴジラの口に血液凝固剤と抑制剤を注入するコンクリートポンプ車のシーンは何回観てもあの時の原発に放水するシーンを想起させて胸アツ。
ちなみに、なんでこれだけ政府の災害対応、フロー、問題点がリアルなのかは、スタッフがあの分厚い原発事故の事故調査報告書をめちゃくちゃ読み込んで脚本に落とし込んでいったから。こういう地味で細かい作業の積み重ねであの素晴らしい脚本ができているのだ。スタッフみんなすごい!
あと昔から戦後日本はアメリカの属国に成り下がってしまったという思いを抱えているので、「いつも無理な注文ばかりしてくるな、彼の国は」とか、最後の「理想的なパートナーじゃなくて理想的な傀儡だろ?」という矢口のセリフが笑えなかった。
そして問題のラスト。こないだの飲み会で隣の人が教えてくれたとおり、本当に背びれが生えていたゴジラ人間だった! うーんやっぱり牧博士のDNAを取り込んで無限増殖をしようとしていたのがゴジラこわっ!
終了後は全員で拍手喝采。4回目にして初。本当は初回でおもいっきり拍手したかったんだけど恥ずかしがり屋なもんで心の中で拍手してました。
さて、5回目はどこで観るかなーやっぱ品川IMAXかなー。


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