あの大震災から丸5年。
今回のオカムラさんのWEBマガジン「WAVE」では、震災以降、野蒜地区の振興に全力を尽くしてきた農家と牧場経営者に、農業と馬を使った農村コミュニティの再生に懸ける思いとこれから目指す地域のあり方について語り合っていただきました。
東日本大震災で甚大な被害を受けた宮城県東松島市。野蒜地区で農業を営んでいた「有限会社アグリードなるせ」も津波により甚大な被害を受けましたが、社員総出ですぐ周辺住民の避難指示、人命救助、行方不明者の捜索、避難所への誘導や支援活動に奔走しました。
「すぐ捜索活動を始めたんだけど、その途中で見えるわけですよ、亡くなっている方が。もしかしたら途中でご遺体を踏んでしまっていたかもしれない。申し訳ないけれども、当時はとにかく生きている人を探すことに一所懸命だった」
また、潮をかぶった田んぼは数年は米作りは無理と言われていましたが、震災直後から安部社長と佐々木常務は田畑の除塩作業に着手。
「何にもしないままだとどうにかなりそうだったから、できることの可能性を探りたかった。その中でやっぱり米を作りたいと思ったんですよ。亡くなった人たちの顔が浮かんで、何とか立ち上がらなければという一心だったね」
「県の職員は「まだ田んぼが海水と瓦礫で埋まっているような状況で何を馬鹿げたことを言ってるんだ」と言うんですよ。「そっちこそ何を考えてるんだ、今からやらなきゃいけないんだ!」と大ゲンカになってね。この一件で「アグリードの社長は頭がおかしくなったようだ」という噂が広まったんです(笑)」
県を説得し、除塩開始。そしてその年の秋には早くも米の収穫に成功。しかも過去最高のクオリティに。これは超絶驚異的。
その後、地域の活力を取り戻すべく「福幸祭(ふっこうさい)」など復興イベントも主催。岩手県盛岡市で馬の牧場を経営する「一般社団法人美馬森Japan」の八丸夫妻も協力し、地域を大いに盛り上げてきました。
「この地域の住民4200人のうち、この近辺だけでも516人も亡くなってるわけです。そういった中でね、守られてるんですよ、我々は」
日本には知られていない本当にすごい人たちがまだまだたくさんいる。改めてそう感じたインタビューでした。
特に今回は1人でも多くの人に読んでいただきたいと思っております。
アグリードなるせ(安部俊郎社長・佐々木和彦常務)× 美馬森Japan(八丸健・由紀子)
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