2度目に参加した「3.11被災者支援研究会」の定例会は強力なスペシャリスト陣に加え学生など若いメンバーが増えて、事務所はさらなる熱気に包まれた。
その場で初めてメンバーによる具体的なアクションが提示された。
新潟に避難している被災者への聞き取り調査である。
『震災から2ヶ月経って、新潟県内で避難所解体が急速に進んでいる。この現状を見過ごすことはできない。「1週間調査」「1か月調査」で携帯番号を教えていただいた避難者の方に、電話で緊急フォロー調査を実施。「3か月調査」のための事前調査を兼ねる』
というのが主旨。
主な質問項目は、現在の住所、同じ避難所にいるなら移動しない理由、移動しているならその理由、現在の心境、今後の予定、今の生活や住まいについて、あるいは、国や自治体の取り組みについて言いたいこと。
これまで散々インタビューやコメント取りはやってきたが、こういった報道関係の取材、特に直接被災した方に対する取材は未経験だったのでうまくできるかなという不安はあったが、これまでの経験を生かせばなんとかなるはず。何より、これこそが自分の職能を生かしてできること。今これをやらなかったら何のために自分がこの会にいるのかわからない。そしてメディアを通さずに、直接被災者の声を聞いてみたいという気持ちもあり、参加することにした。
調査日は5月15日。
私が電話をかけたのは12人。そのうち電話が繋がったのが7人。コメントを取れたのが4人。2人が重複で、1人が翌日に電話することになったが、電話しても繋がらなかった。
中には国や自治体(いわき市)、東電に対してかなりの怒り、不満を感じている方もおり、約1時間にわたってそれらを聞かせていただいた。
かと思えば、某避難所にいる方はみな明るく前向きで、不満や怒りはあまり出てこなかった。避難所によってだいぶ違うのかなと感じた。
4人のうち、引き続き同じ避難所にいる人は2人、あとの2人は自宅に戻っていた。他の人の動きについても聞いてみたが、やはり南相馬の避難所に移ったり、自宅に戻ったりと、動いている人は増えているそうだ。
「早く家に戻りたいけど放射能の影響で戻れないのが悲しい」
「本当のことが知りたい」
「この先どうしたものやら考えあぐねている」という言葉に胸が痛んだ。
怒り、悲しみ、不安、絶望、諦め......。
最も胸に突き刺さったのが、自宅に戻っている人の「今の状態は生殺し」という言葉。これには一瞬言葉を失った。淡々と語っているのだが、まさに悲痛な被災者の魂の叫びという感じがした。
やはり生の声はリアルさが圧倒的に違う(当然だが)。
被災された方の生の声を聞くことで、彼らの悲しみや苦しみをよりリアルに感じられた。
今回の震災がいかに人の人生を狂わせたかがリアルに実感できた。
同時に国と行政、東電の責任の重さも改めて実感できた。
そして前々から思っていたことだが、被災してない側が気軽に「頑張ろう日本」とか「ボクらはひとつ」とか「みんな繋がってるから大丈夫」とか言えないと改めて強く思った。
被災者の方はとにかく今の気持ちを聞いてほしいという思いが強いように感じた。そういった被災者の方の感情をもろに受け取ることが、次のアクションへの駆動力になると思うので参加してよかったと思う。
また、一人目の方以外にも取材の後に、「聞いてくれてありがとう」という人もいたので、少しはお役に立てたのかなとも思えた。そういう意味でも参加してよかった。
このような貴重な体験をさせていただいたNHK解説委員の早川さん、小林さんはじめ、3.11被災者支援研究会の皆さんにお礼を申し上げたい。
しかし電話だけではまだまだ不十分。表情や話し振りなど、ノンバーバルな情報から得られるものも重要なので、機会があれば直接会ってお話をおうかがいしたい。
そしてただ聞いて記録するだけではなく、ちゃんと伝えること、この調査を役立てることこそ大事で、決して忘れてはならないと感じた。
その調査結果が5月24日の「スタジオパークからこんにちは」の中で早川さんにより発表された。
「遠隔地避難所閉鎖の中で」と題して、7分間で。
放送を見ながらこの調査の一端でも担えたことと、「私たちの声を世間に伝えてほしい」と訴えていた被災者の方の思いに少しでも答えることができたことに対してうれしく思った。
新人記者ってこんな気持ちなのかなとも思った。
とにかく今後も継続して自分にできることをできるだけやっていきたいと思う。
その場で初めてメンバーによる具体的なアクションが提示された。
新潟に避難している被災者への聞き取り調査である。
『震災から2ヶ月経って、新潟県内で避難所解体が急速に進んでいる。この現状を見過ごすことはできない。「1週間調査」「1か月調査」で携帯番号を教えていただいた避難者の方に、電話で緊急フォロー調査を実施。「3か月調査」のための事前調査を兼ねる』
というのが主旨。
主な質問項目は、現在の住所、同じ避難所にいるなら移動しない理由、移動しているならその理由、現在の心境、今後の予定、今の生活や住まいについて、あるいは、国や自治体の取り組みについて言いたいこと。
これまで散々インタビューやコメント取りはやってきたが、こういった報道関係の取材、特に直接被災した方に対する取材は未経験だったのでうまくできるかなという不安はあったが、これまでの経験を生かせばなんとかなるはず。何より、これこそが自分の職能を生かしてできること。今これをやらなかったら何のために自分がこの会にいるのかわからない。そしてメディアを通さずに、直接被災者の声を聞いてみたいという気持ちもあり、参加することにした。
調査日は5月15日。
私が電話をかけたのは12人。そのうち電話が繋がったのが7人。コメントを取れたのが4人。2人が重複で、1人が翌日に電話することになったが、電話しても繋がらなかった。
中には国や自治体(いわき市)、東電に対してかなりの怒り、不満を感じている方もおり、約1時間にわたってそれらを聞かせていただいた。
かと思えば、某避難所にいる方はみな明るく前向きで、不満や怒りはあまり出てこなかった。避難所によってだいぶ違うのかなと感じた。
4人のうち、引き続き同じ避難所にいる人は2人、あとの2人は自宅に戻っていた。他の人の動きについても聞いてみたが、やはり南相馬の避難所に移ったり、自宅に戻ったりと、動いている人は増えているそうだ。
「早く家に戻りたいけど放射能の影響で戻れないのが悲しい」
「本当のことが知りたい」
「この先どうしたものやら考えあぐねている」という言葉に胸が痛んだ。
怒り、悲しみ、不安、絶望、諦め......。
最も胸に突き刺さったのが、自宅に戻っている人の「今の状態は生殺し」という言葉。これには一瞬言葉を失った。淡々と語っているのだが、まさに悲痛な被災者の魂の叫びという感じがした。
やはり生の声はリアルさが圧倒的に違う(当然だが)。
被災された方の生の声を聞くことで、彼らの悲しみや苦しみをよりリアルに感じられた。
今回の震災がいかに人の人生を狂わせたかがリアルに実感できた。
同時に国と行政、東電の責任の重さも改めて実感できた。
そして前々から思っていたことだが、被災してない側が気軽に「頑張ろう日本」とか「ボクらはひとつ」とか「みんな繋がってるから大丈夫」とか言えないと改めて強く思った。
被災者の方はとにかく今の気持ちを聞いてほしいという思いが強いように感じた。そういった被災者の方の感情をもろに受け取ることが、次のアクションへの駆動力になると思うので参加してよかったと思う。
また、一人目の方以外にも取材の後に、「聞いてくれてありがとう」という人もいたので、少しはお役に立てたのかなとも思えた。そういう意味でも参加してよかった。
このような貴重な体験をさせていただいたNHK解説委員の早川さん、小林さんはじめ、3.11被災者支援研究会の皆さんにお礼を申し上げたい。
しかし電話だけではまだまだ不十分。表情や話し振りなど、ノンバーバルな情報から得られるものも重要なので、機会があれば直接会ってお話をおうかがいしたい。
そしてただ聞いて記録するだけではなく、ちゃんと伝えること、この調査を役立てることこそ大事で、決して忘れてはならないと感じた。
その調査結果が5月24日の「スタジオパークからこんにちは」の中で早川さんにより発表された。
「遠隔地避難所閉鎖の中で」と題して、7分間で。
放送を見ながらこの調査の一端でも担えたことと、「私たちの声を世間に伝えてほしい」と訴えていた被災者の方の思いに少しでも答えることができたことに対してうれしく思った。
新人記者ってこんな気持ちなのかなとも思った。
とにかく今後も継続して自分にできることをできるだけやっていきたいと思う。
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