一筆入魂

フリーライター/編集者 山下久猛のブログ

2009
12/16
日記

[告知]『名作旅訳文庫8 坊っちゃん』出ました!

今年の夏に取材・執筆を担当した本がめでたく出版されました。

その名も、『名作旅訳文庫 坊っちゃん』(JTBパブリッシング)

cover.jpg

ひとことでいうと、文豪夏目漱石の小説『坊っちゃん』を全文再録し、その舞台となった土地に関する情報を「旅訳」として掲載。小説の本文の流れに沿って、該当ページに「旅訳」を脚注のかたちで織り込んで行き、読者に名作のその舞台を追体験させる、という本です。

ぐだぐだ説明するよりも、見た方が早いので、詳しくはるるぶ.comの旅訳紹介ページをご覧ください。

おお! まさしく私が担当した『坊っちゃん』がサンプルで掲載されている!

地アミの部分が私が書いたところ。あと写真も。それ以外は『坊ちゃん』本文です。

あとプレスリリースも参考までに。

Amazonリンクは↓



しかし全国の熱烈な坊っちゃんファンおよび私の故郷の友人たちによる買い占めのためか、現在大好評品切れ中! なので、興味をお持ちの方は最寄の書店に寄ってみてください。専用のボックスとかあるらしいですよ。


で、例によって、以下、内容についてぐだぐだ紹介します。
えー漱石自身は、『坊ちゃん』は松山をモデルにしているとはひとっことも言ってないのですが、誰がどう読んでも松山以外にありえない。

で、小説内に登場する人物、旅館、下宿、蕎麦屋、中学校、温泉などはモデルとなったものが実在するわけです。当然小説内では名前を変えているし、漱石も「あれは小説だから」と言ってモデルになったそれらを特定する発言はしていないんだけど、それをいろんな資料を当たったり、松山の「漱石研究会 坊ちゃん会」の会長に取材したり、モデルとなった旅館やお菓子屋のおかみに取材したりと、まさに地を這うような取材で明らかにしていくと、こういう仕事だったわけです。

だからこそこうやって本になったのを見ると感無量です!


そもそもは私が愛媛出身だからつうことでいただいた仕事。
松山滞在8日間。
気合を入れてほんとに徹底調査しました。
ちなみに取材した人や取材に赴いた場所は
・「漱石研究会 松山坊ちゃん会」会長
・伊予鉄道
・道後温泉
・道後観光案内所
・松山市観光課
・子規記念博物館
・つぼ屋菓子舗
・松山道後郵便局
・松山東高等学校
・松山城
・元城戸屋旅館
・愚陀仏庵
・愛媛大学
・高知大学教授
・元遊郭、現●●のスナックのママ
などなどなど。

購入した書籍、7、8冊。

おかげで予定経費枠を大幅にオーバー。
オーバーした分はもちろん自腹。
泣いてなんかない。

でもこういう実際に現場を駆けずり回る仕事って結構好きなんだなあって改めて思いましたよ。
実際に現場に行って、人に会って話してみて初めてわかった衝撃の新事実も結構あって、へーそうだったんだーみたいな発見が楽しかったなぁ。

例えば、ネットのブログでは確かに営業していたフレンチレストランが行ってみたら場所は同じで全然別のオペラ喫茶になっていたとか。んでそこのママと話し込んだおかげでまたまた衝撃の新事実が発覚したりとか。まさに新事実のわらしべ長者! こういうのってほんとおもしろい!

それと漱石本を読み込んだおかげで漱石先生についてかなり深く知ることができたのも収穫。あと正岡子規についても。今度はちゃんと子規について勉強したい。

一番感動したのは漱石と子規の男の友情。漱石も漢だけど子規も漢や!。・゚・(ノ∀`)・゚・。


あと、ついでに久々に実家にも帰れたし。

つうことでよしとします!(無理矢理)


松山好き、漱石好き、『坊っちゃん』好き、元ネタ探し好き、な人は読んでみてください。

いや、『坊っちゃん』、今読んでもめちゃめちゃおもろいっすよ。
この機会に『坊ちゃん』を読んでみよっかなあという人にもおすすめっす。
税込み525円なのでぜひ。


■Amazon紹介
道後温泉、ターナー島、伊予鉄道。若き日の漱石が赴任した松山中学。国民的小説『坊っちゃん』の舞台を数々のエピソードとともに徹底調査。小説のあの名場面と「旅訳」を合わせて読めば、文豪の青春時代がより輝きを増す。


他にも7冊同時発売中です! たぶんどれもおもしろいハズ!

名作旅訳文庫 各525円(税込)
1:小樽・函館 『蟹工船』小林多喜二
2:青森 『津軽』太宰治
3:松戸・矢切 『野菊の墓』『春の潮』伊藤左千夫
4:東京下町 『たけくらべ』樋口一葉
5:軽井沢 『風立ちぬ』堀辰雄
6:大阪 『夫婦善哉』『アド・バルーン』織田作之助
7:尾道 『放浪記』林芙美子
8:松山 『坊っちゃん』夏目漱石


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