魂のインタビュー屋

フリーライター/編集者 山下久猛のブログ

2009
07/09
日記

一日先生をやってきました

先日、今年も某公立高校で「先生」をやってきました。

今年で3回目。高校へ行くのは都合4回目。

お題は基本同じで「プロが語る情報活用の技術」。中でも核となるのは、「情報の信頼性を確保するためにどうするか」というテーマ。

今回で3回目だからそろそろ40人の17歳の前でしゃべるのも慣れてきたんじゃねーの?と思っている人もいるようですが、これが全く違くてですね、あれだけは何回やっても心臓が口から飛び出て勝手にハツ刺しになるくらい緊張しますわ。

もちろん今回も話す構成を考えてレジュメを作成して、頭の中で何度も何度も何度もシミュレーションするんですが、教壇に立った瞬間、頭のなかはまっちろけ。
心臓ドキドキバクバクだわ指は震えるわでいわゆる
(((((((( ;゚Д゚))))))))ガクガクブルブルガタガタブルブル状態になります。

ガッコの先生はじめ、大勢の人の前で何度も授業とか講義とか講演とかしている皆さんはほんとーにえらいと思います。そういう人は、やってれば慣れるといいますが、あれだけは何度やっても絶対慣れないと思います。基本、チキンハートなので。


それでも都合4回目となる今回は「生徒をなるべく寝かさない」をテーマにしてみました。去年、おととしは堂々と爆睡している生徒とか明らかに聞いてない生徒とかが目立ったので。

でもなんで寝るかというと、話がつまんないとか話が一方通行だからなんですよね。高校時代は1日の半分の授業で爆睡してた俺だからよーくわかります。だから今年は、
・つかみで興味をもってもらう
・生徒が興味をもちそうな具体例、業界裏話などを話す
・生徒に質問して、手を挙げさせる
・生徒を当てて、答えさせる
というような工夫をしました。


まずは授業冒頭で
「みなさんこんにちはー。フリーで編集とかライターとかをやってる山下と申します。大学を出てから編集・ライターの道に入ってかれこれ20年弱なので、こうみえてもけっこう歳がいってですね、あれ? 今日何日だっけ? 26? おととい誕生日を迎えてとうとう大台に乗っちゃいました。(複数の女子高生が「おめでとー、おめでとー」と小声で言ってくれてたらしい。)大台って言っても50じゃないっすよ?(教室、ちょっとクスクス)ひょっとしたらこの中に俺と同い年のお父さん、お母さんがいる人がいても全然不思議じゃないと思います。つうか普通にいると思います(ちょいザワザワ)」

これでとりあえず俺的につかみはオッケーと思ったので、後はがーっとしゃべり倒しました。

その結果、今年は寝てる生徒はほとんどおらず、それどころか終始、真剣にこっちを見て話を聞いてくれる生徒がけっこういました。うれしい限りです。


そんな感じでなんとか無事終了したけど、やっぱり心臓バクバクは同じで、途中で話す順番を間違えたりしました。

でも、見学してたほかのライターやコーディネーターや先生は全く緊張してるようには見えなかったとかむしろ堂々としてたとか俺の自己評価とは真逆のインプレ。

中でも一番うれしいのは毎年確実にうまくなってるというお言葉。
これは正直お世辞でもうれしい。
心臓バクバクながらもがんばった甲斐があったってもんです。


さらにうれしかったのが、講義終了後、生徒からすげーたくさん質問や感想が来たこと。

中には
・最近のTVの偏向報道っぷりが酷いと思うんですが、どう思いますか?
とか
・より正確な情報を見分けるコツを教えてください
とか
・なにが本当か見極める決め手ってなんなんですか?
とか
・間違った情報を書いてしまったことはありますか? その時はどうしましたか?
なんてゆう高校生離れした核心を突く質問から
・「魂の仕事人」は何部くらい売れてるんですか?
とか
・仕事がつらいときはどうしますか(゜ロ゜)?(原文ママ)
とか
・フリーライターって月収だいたい平均でいくらぐらいもらえるんですか?
なんていういろんな意味で泣かせる質問も。

あとやっぱ
・ライターになるためには、どんな勉強をしたらいいですか?
という質問もいくつかあったけど、現役としてはうれしい質問かな。

一番印象に残ってるのは
・今、人生楽しいですか?
という質問。
もちろん、「超楽しいです」と答えておきました。ほんとなので。



感想では、
・今日はとてもいい授業だとおもいました。
・今日のお話とてもおもしろかったです!
・もうちょっと質問しておけばよかった
などの感想が多く、とりあえずほっ。

あと
・編集など、メディア方面の仕事に興味があるので、とても参考になりました。
・裏話的なものが聞けてすごくためになりました!
・今日聞いたことを将来の仕事を選ぶときに生かしていこうと思います。
・私はまだなりたい職業が決まっていないので早く興味のあることを見つけたいです。
っていうのがうれしかったなあ。

高校二年生ともなれば将来の夢のことをそろそろおぼろげながら考える時期。
やっぱり仕事柄、こういう将来の仕事選びとか、これから進む道を考える上で、生徒にとってちょっとでも役に立つ情報を与えられたらいいなあという思いもあるので、うれしかったっす。

それとちょっとかぶるけど、
・仕事は好きではないとやってられないことも知った
・職業って好きだけじゃだめって思ってたけど極めていこうと思いました!
なんてのもすげーうれしかったなあ。
俺は基本的に好きなことを仕事にしたい!と思って生きてきた人間だし。
でも職業選択とか仕事のやりがいという話がメインじゃなかったものの、そこに反応してくれる生徒がいたことにびっくりしました。
S高校の生徒はバケモノか!

そのほか、いろんな質問、感想をいただき、感謝感激っす。
やっぱりちゃんと聞いてくれてたんだなあと感動を新たにしますた。
ちゃんと聞いてないと質問ってできないし、唸らせるような感想も書けないからね。

でもやっぱ一番うれしかったのは
・「魂の仕事人」、買います
かな。
単純に高校生に読んでもらいたい内容だし。
ちょっとでも売り上げ増につながればなと。

もちろんネガな感想もありました。
・話が難しかった
とか。
これは大いに反省すべき点。
相手はまだ16、17歳。
高校生への授業で一番重要なのはわかりやすく伝えることなのに...。
次からもっと工夫いたします。


この授業は、情報を発信する仕事について生徒にわかりやすく説明しなければならないので、自分のキャリアを振り返り、現時点での仕事をやり方を検証することで、これまで大事にしてきたもの、これから大事にしていきたいものが見えてきて、もっとがんばらねばと思えるので、俺自身にとってもとっても貴重な意義ある機会。

今後ともオファーがある限りやらせてもらおうと思っとります。


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★おまけ:講義レジュメ抜粋

■略歴
・オートバイレース専門誌編集(6年)
・旅行雑誌編集(6年)
・転職サイトWebマガジン編集(3年)
・2006年に独立。フリーランスの編集・ライターとして活動開始。現在に至る。

なぜこの道を志したか?→「形のない人間の心、精神というものを文字や本という形にできる仕事だから」

1:現在の仕事
・転職サイトのWebマガジン「キャリア&転職研究室」のディレクション(終了)
・魂の仕事人インタビュー
・旅行カタログの編集
・最近ではリクルートのキャリアガイダンス保護者版での特集記事
◎2007年7月書籍『魂の仕事人』発行!

●仕事の内容:企画・取材・執筆・校正・簡単な撮影・外注スタッフの取りまとめ・進行管理・全体的なディレクションなど。

  ※サラリーマン記者/編集者とフリーランスライター/編集者の違い

●人はみな情報の受信者であり、発信者でもある

情報を発信するということの基本:何のために、誰に向けて情報を発信するのか

2:情報の信頼性を確保するために
Q.そもそもなぜ情報の信頼性を確保しなければならないのか?
・情報も冷蔵庫やテレビやパソコンと同じ「商品」である
・信憑性の低い情報は身を滅ぼす
 ・ex.朝日新聞の珊瑚事件(究極の自作自演)
 ・ex.『マルコポーロ』の「ガス室はなかった」事件(禁断の広告主激怒)
 ・ex.『週刊新潮』の朝日新聞襲撃事犯スクープ事件(世紀のガセネタ)
・狼少年は最後にどうなったか
・ウソばっかりついてると死んでも誰からも悼んでもらえなくなる。
 そんなの人としてさびしいよね。

●発信する際の注意点
・「その情報、ウラは取れてるのか?」「ソースは?」
・一次情報に複数当たることが大事。自分の目と耳で確かめること。
・いろんな角度から確かめることが大事

■実体験:情報を発信する仕事といってもさまざま
・個人の仕事観、人生観を聞くインタビュー企画(「魂の仕事人」)と
より情報の正確さが求められる学術的・研究的記事(労働政策研究・研修機構 専門用語集作成)との違い

3:受信する際の注意点
・新聞・テレビ・雑誌、本など、メディアからの情報を鵜呑みにするべからず
・ほとんどの本は「著者」が書いていない?
・本当のことはなかなか表には出ない

●偏向報道による間違ったイメージ
Q.殺人事件は増えているか?
Q.凶悪殺人は増えているか、減っているか?
Q.少年の凶悪犯罪事件はどうか?

※そもそも新聞やテレビのニュースにしても、中立・公正・客観的な記事などありえない。
本当に確かだと言えるのは自分の気持ち


4:最後に
自分の気持ちを伝えることも立派な情報の発信。
→好きな人への告白はどんどんするべし
「答えは相手の中にある」

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